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少年野球コーチ目線!筒香嘉智『空に向かってかっ飛ばせ!』の感想

 
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kenjin
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少年野球コーチ目線!筒香嘉智『空に向かってかっ飛ばせ!』の感想

 

こんばんわ。けんじんです。

今日は先日、購入して読破した横浜DeNAベイスターズの四番、筒香嘉智の

『空に向かってかっ飛ばせ!」の書評をしていきます。

現役のプロ野球選手の本はほとんど購入しないのですが、筒香選手の考えや理念に

とても共感でき、本を読んでみたいと思い、Amazonで購入しました。

この本は新作ですので、ネタバレにならない程度に印象に残った部分や

感銘を受けた部分を書評していきますね。

筒香嘉智選手の「もっと野球が上手くなりたい」という感情が生まれたきっかけ

筒香選手は中学生の時に所属した少年野球チームの堺ビッグボーイズでお世話になり、

プロ入り後は自身のマネジメントをお願いされている瀬野竜之介さんという方の提案で、

ドミニカ共和国のウインターリーグに参加されました。

その時に日本とドミニカのあまりの環境の違いに驚き、

日本で野球をできている筒香選手は、

「どれだけ優遇されて、幸せなんだろう」

と感じたそうです。

そこから野球に関しても、生き方に関しても、どん欲になったそうです。

「この環境でもこれだけできるのだったら、

もっといい環境にいる自分はもっとできることがあるんじゃないか」

そんな渇きのような感情が、どんどん膨らんでいったのです。

もっと野球が上手くなりたい、ただただ上手くなりたい、

という欲求が高まりました。

もともとストイックなタイプの筒香選手がより、今の自分が恵まれすぎていることを感じ、

野球への渇きが芽生えたそうです。

監督やコーチは決して、プレーや打ち方を強制することはありません。

ウインターリーグはドミニカの野球では、最も人気があって年間で一番、

お金が動く興行だそうです。

収支は観客の入場料収入などで決まり、6球団中4球団が進出する1月のプレーオフに

残ることが黒字の大きな条件になります。

だから監督は勝つことが使命ですし、日々の勝負に全力を尽くします。

選手たちは選手たちで、気になるのはメジャーや日本からやってくるスカウトたちの視線です。

彼らは、ここで活躍してメジャーや日本の球団と高額の契約を取るために、

それこそ生活を賭けたプレーをしているのです。

だから勝敗にシビアな割に、監督やコーチは決して、選手に「どう打て」とか「どうプレーしろ」と

強制することはありません。

「チームのためにもっとチームバッティングをしろ。オマエができないとチームが負けるんだ」

日本では少年野球から高校野球、プロの世界まで、監督やコーチ、指導者からよく聞く言葉かもしれません。

しかし、ドミニカではそういう言い方は一切しないのです。

「おまえが活躍することが、チームの勝ちにつながる。だから失敗を恐れずにもっともっとチャレンジして

上手くなれ。そのためにオレたちは何でも手伝ってやるぞ」

僕はこれを読んで、いかにドミニカの選手が日本の選手よりものびのとプレーをしているかということが

わかりました。

海外の野球のInstagramをフォローをしていてもプレースタイルが自由だなという事は前から

感じていましたが、少年野球時代からの指導者の指導法の違いがあるかもしれませんね。

指導者は個人を大切にする習慣がついているのです。

選手は、打つためにはどうしたらいいのかを、自分で必死に考えています。

決してコーチから「ああしろ、こうしろ」と言われるのではなく、自分で考えて成長する。

それを手助けするのがコーチの役割。そういう関係が、ドミニカでは貫かれていました。

とにかくバッターは思い切ってバットを振る。

ピッチャーは速い球を投げる。

守備では、小学生がジャンピングスローやグラブトスを普通にやっています。

日本では

そんな

プレーをすれば、「もっとコンパクトに振れ」「もっとコントロールに気をつけろ」と

指導され、ミスをすれば「もっと基本に忠実なプレーをしろ」と怒られてしまうことが

多いでしょう。

子どもたちがチャレンジすることすら、すぐに禁止されてしまうのです。

しかし、ドミニカの指導者たちは、そうしたプレーでミスをしても何も言いません。

だから子供達は失敗を恐れず、何回も失敗をしながら、

新しいチャレンジをしていきます。

 

日本の少年野球でもバントの失敗や見逃し三振はめちゃくちゃ怒られるチームがあります。

もちろん、見逃し三振は僕も好きではありません。

変化球がある中学生や高校野球からは見逃し三振も待ち球によっては仕方がないと思います。

しかし、真っすぐの直球しかない少年野球では来たボールにタイミングを合わせるだけなので、

見逃し三振はしないように選手と試合前に約束します。

しかし、実際に見逃し三振をしてしまったからといって鬼の首を取ったように怒鳴ることはありません。

選手がコーチや監督の顔色を伺いながらプレーをするような子供になってほしくないからです。

日本野球では当たり前に使うイレギュラーという言葉を知らないドミニカの子供たち

ドミニカでは子供たちが使っているグラブやバットもボロボロで、打球はしょっちゅうイレギュラーをします。

それでもみんな気にかけずにノックのボールを受けて、キャッチボールをしているそうです。

筒香選手が、

「イレギュラーは怖くないの?」

と練習後のある子供に聞いたところ

子供は怪訝そうな顔で、逆にこう質問したそうです。

「イレギュラーってなに?」

トッププレーでプレーする選手たちも同じで、

「イレギュラーの対処法は?」

筒香選手が彼らに同じ質問をしたことがありました。

返ってきたのは、

「イレギュラーってなんだ?」

子供達と全く同じ答えだったみたいです。

ここではグラウンドがデコボコなのは当たり前で、打球が思わぬバウンドをするのも

野球の一部なのです。

ボールを弾いても叱られず、言い訳をする必要もないから、イレギュラーという言葉がないのです。

 

この言葉は僕も目から鱗でした。

いつの間にかイレギュラーという言葉を言い訳にしていたわけだはありませんが、

環境の違いでこうも野球に対する概念が変わるのだと感じました。

そういった面でも道具や野球ができる場所という面でも恵まれているのだと知りました。

野球は苦しいものではない

『野球は苦しいものではない』というフレーズを見て、ドキッとされた方はいらっしゃるかもしれません。

僕はドキッとしました。

自分にとって野球が苦しい時期が結構あったからです。

ドミニカのそんな環境の中でプレーをしてみて感じたのは、どの選手も心から楽しそうに

野球をしていることでした。

自分を振り返ってみました。横浜高校時代からプロの世界に入るまでの間、こんなに笑顔で

野球をしてきたことがあっただろうか。

思わず子供の頃にまで、思いを馳せてしまいました。

「何で毎日、そんなに楽しそうなの。野球をしていいて辛いことはないの?」

選手の一人に聞いたことがあります。

すると彼は〈なんでそんなことを聞くんだ!〉とばかりに目を丸くしてこう言いました。

「人生なんだから、いろんなことがあるし、もちろんオレにだって辛い事はあるさ。

でもそういうときは音楽を聴いて忘れることだよ。そうしてまた気持ちを切り替えて、

次の日を迎えればいいじゃないか!

この言葉はアドラー心理学でお馴染みの「嫌われる勇気」を読んだときのような

衝撃がありました。

野球というものはそもそも楽しいものの筈なのに、野球をしている人のほとんどの人は

忘れているのかもしれません。

ドミニカの子供のように、失敗を恐れずチャレンジして、たとえうまく行かなくても

そのチャレンジを楽しむことが、野球で成長するには絶対に必要と筒香選手はおっしゃっています。

野球とは、決して苦しいものではない。日本の子供達が、野球を楽しいものだと心から思えるように

するには、どうすれば良いか。

僕も筒香選手のように日々、考えていきます。

野球の為に、ピアノを習わせた筒香選手の父親の凄さ。

僕を含めて、今の筒香選手がどういう風にして培われたのか興味がある人はかなり多いと思います。

大谷選手の学生時代が気になるように、イチロー選手のチチローが注目されたり、

ダルビッシュの親御さんがダルビッシュをどう育てたか等、やはり気になる部分ではあります。

一家は野球を中心に回り、それを母親が静かに見守ってくれている。

そうして筒香家は成り立っていたような感じでした。

父が野球への道を開いてくれたのですが、小学校に入ると、野球以外にいくつかの習い事に

通わせたのも父でした。

「野球より学校の勉強」が口癖だったので、小学校の低学年のときには公文式の学習塾にも

通っていました。

また、その頃に習い始めたのが、水泳とピアノでした。

実は習い事を増やしたことにも、父の深謀遠慮がありました。

僕の長男も水泳を年長の時に習い始めました。

ただ、ピアノを習わせていなかったのですが、これを読んで

「なるほどなぁ」と強く感じました。

ピアノを習わせたのも筒香選手の父曰く、野球につなげるためだそうです。

右利きの筒香選手の右脳も発達させるために、右手と左手を別々に使うピアノを選んだそうです。

公文式の学習塾に通わせたのも、もちろん勉強をしっかりする習慣をつけさせたかったことが

一番だそうですが、これも野球をやっていくうえで大事だという思いがあったとの事です。

計算がパパっとできるような頭の回転の速さや、頭を使う習慣が必要だと思って

塾に通わせる事にしたみたいです。

親としては、子供にできるだけ習い事をやらせたいのですが、

家計や忙しさの事を考えるとあまり数はできません。

子供の体力もありますし。

その中で何を選んで習い事をするのかも親の知性やセンスが重視されます。

最低限、子供に対してのレールを敷いてあげることが親の役割だと僕は思っていますし、

そのためにも日々、勉強していかないといけません。

少し、この記事の途中で触れたアドラー心理学の「嫌われる勇気」にもありましたが、

親はまだまだ未熟なんです。

それが親になった途端、自分は立派な人間になったと勘違いしてしまう親が多すぎるのです。

なので、子供を説教するのも上から目線で怒ってしまいがちです。

大事なのは子供を一人に人間として同じ目線で接してあげることです。

筒香選手の親御さんはそういったことができていたのだと僕はこの本で感じました。

最後に

前から感じていたことですが、

筒香嘉智という方はトップアスリートでありながら、人生において成功の定義の一つである

『自己成長と他者貢献』を考え、実践されていると思います。

この『自己成長と他者貢献』は少年野球のコミュニティにおいても

OBコーチはこの域に達していると考えています。

何より、未来の子供たちのことを考えている筒香選手には強く共感できるので、

皆さんも興味があれば購入して読んでみてください。

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