筒香嘉智が語った、少年野球における「母親の問題」と「お茶当番」①

この記事では、少年野球における「母親の問題」と「お茶当番」についてリアルタイムで少年野球の
現場にいる僕が経験した事と、横浜DeNAの筒香選手が語ってくれたことを踏まえて、
お伝えします。
僕も自分自身が子供の時に少年野球をしていましたし、今はコーチとしての立場で少年野球の世界に
身を置いております。
そこでつくづく感じるのが少年野球は親のサポートが必要で親の負担が大きいということです。
もちろんチームによって差はあると思います。
ただ現状は主役は子供だと言われている中で辞めてしまう原因であったりだとか、親が練習に送れない、
お茶当番に連れていけない等の理由で子供がチームに入れないという親が関係していることは事実です。
そして、横浜DeNAベイスターズの筒香嘉智外野手が1月25日、東京都内の日本外国人特派員協会で
記者会見を行い、子供たちを取り巻く野球環境の改善へ、提言を行いました。
これまでも自身が中学生時代に所属した堺ビッグボーイズの小学生部「チーム・アグレシーボ」の体験会や
生まれ故郷の和歌山・橋本市の「スポーツ推進アドバイザー」就任など、機会がある度に野球界の改革を
訴えてきました。キャンプイン直前となるこの日は、海外メディアに向かっても、いま日本の青少年を
取り巻く野球環境の危機について強く訴えられました。
少子化だけでは片づけられない野球人口の減少
最近、ニュースやSNSで筒香選手の記事をよく見ますが、彼は本当に野球界や未来のプロ野球選手、
今の子供たちの事を考えてくれているんだろうなと感じます。
少子化の6倍から10倍のスピードで野球人口が減っているデータが出ています。また、小さい子供たちが
野球をやりたいのにも関わらず、小さな子供がムリをしすぎて手術をしたり、ケガをして野球を断念する姿を僕自身も見てきました。
昨年は野球界だけでなくスポーツ界で、様々な指導者と選手の問題でニュースが取りあげられました。
現状のままでは未来ある子供たちが、好きなスポーツ、野球を続けていく環境が本当にこれでいいのかという問題が
たくさんあると思いますので、昨年、いろんな問題が起きたことについて、何故そのような問題が起きたのかを皆が
深く取り下げて考えていかないとまた同じ事が起きてしまうと思います。
野球界でいうと一つの要因は若い世代に多い、勝利至上主義だと僕は思います。
どの年代も選手の子供たち、選手の将来的な活躍よりも今を勝つという今の結果を重視する勝利至上主義に問題があると思います。
骨格のできていない子供たちの試合がほとんどトーナメント制で組まれています。
どうしても選手の成長よりも今の試合に勝つという、よかれと思ってやっていることが子供たちには負担になっている
という現状があると思います。
もちろん僕自身も勝つことを否定しているわけではありませんが、勝つ喜び、負けて悔しがることも大事な事で
、子供が優先にならないといけないのに、大人が中心になってやってしまっているのではないかと思っています。
今月の14日に僕の出身チームである『堺ビッグボーイズ』さんに協力して頂いて体験会がありました。
たくさんの応募がありました。野球をやってみたいという子供も多くいました。
ただし、これからは体験会を行えばいいというものでは僕はないと思います。
大切なことはチームとして子供たちの将来、子供たちの今後を第一に考えていけるかだと思います。
僕自身も3年前から堺ビッグボーイズのスーパーバイザーに就任させていただいて、
今の野球界の現状のお話をチームの代表とお話しさせていただいていろいろ考えることもあり、
僕自身もこうして野球界に身を置いている立場なので
こうやって発信させていただいております。
子供を守るのは両親であったり、指導者の方、『大人』が守らないと子供の将来はつぶれると思います。
小さい小学生が肘や肩を痛め、ひどい場合には手術しないといけない例も多く聞きます。
アメリカでは球数制限が導入されていますが、日本はまだ導入されていません。
指導者の方はよかれと思ってやっていることですが、子供たちにとってはすごく重荷になっていることが多い現状です。
その子供たちを守るには各連盟の方がルールを決めて、子供たちを守ってあげないとまた同じ事の繰り返しになってしまうと思います。
また、スポーツマンとは信頼できる良き仲間と言われていますが、今の子供たちの練習や試合に僕自身もよく観に行かせてもらいますが、指導者の方の罵声、暴言、こどもたちができないことに対して、子供たちはできないことが当たり前なのに、子供たちができないことに対して、それに苛立てて、怒っていることを僕自身も目でみてきました。
スポーツマンは対戦チーム、仲間に敬意を払い、お互いにリスペクトしあう、指導者と選手との関係も同じ目線で
同じ立場で、子供たちに歩み寄り、リスペクとしあい、信頼関係が生まれて、子供たちは成長できるものだと僕は思います。
少年野球の指導者はなぜ、罵声や暴言を浴びせるのか
僕も実際にリアルタイムで少年野球の指導者をしていますが実際に指導者が罵声や暴言を子供に浴びせているチームがあるのは
事実です。
うちのチームも罵声ともではいきませんが、怒ったり、怒鳴ったりする指導者がいて子供が委縮していたり、
指導者が嫌で辞めてしまった子供もいました。
ただ、昨年の少年野球体罰問題がニュースにあがり、今年は連盟でのルールで罵声や暴言に対してもかなり厳しくなりました。
練習中の体罰は論外ですが、罵声も禁止で仮に試合中に聞こえてきた場合、主審によっては退場させられるとの事です。
監督も元々、抗議権はなく、あるのはルールの確認する権利だけですが、今年はより一層厳しくなるみたいです。
ただ指導者側を擁護するわけではありませんが、指導者も本気でやっているが故の怒りになってしまうわけです。
父兄コーチで自分の子供を見ていたらなおのこと、自分の子供のふがいなさに腹を立ててしまうのです。
自分が子供のときにできていたのなら、怒るのもわかりますが、父兄コーチで腹を立てている人のほとんどは
自分が子供の時にできていません。
「あなたの子供ができないのは、あなたの子供だからです。」という事を指導者はほったらかしにしています。
まずは自分ができるようになってから、指導するべきだと思います。むしろ指導というよりかは一緒に楽しむ感覚でいいと思います。
少年野球で一番大事な事は子供に野球を好きになってもらうこと
子供が楽しんでやってくれないと、上達しません。
どれだけ努力していても楽しんで練習している子には勝てません。
いわゆる「フロー」状態に入っている子供の吸収力は半端ではありません。
まずは皆さんも子供と一緒に楽しむことが大事だと僕は思います。
最後に
筒香選手は本当に子供の事を考えて、素晴らしい発言を言われていました。
長くなるので続きは次回のブログにて書きたいと思います。